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コーヒーライフを豊かに!スペシャルティコーヒーの全て

あなたは毎日のコーヒーをただのカフェイン補給として飲んでいませんか?その一杯に、もっと深い世界、情熱、そして物語が隠されていることをご存知ですか?

今回は、コーヒー好きにとっての究極の一杯、「スペシャルティコーヒー」について深掘りします。その魅力や歴史、味わい方、そして選び方まで、あなたがスペシャルティコーヒーの世界を満喫するためのガイドとなるでしょう。

目次

スペシャルティコーヒーとは?

スペシャルティコーヒー
スペシャルティコーヒーとは?

最高ランクのコーヒー。コーヒーは4つのランクに分けられますが、スペシャルティコーヒーはその中のトップに位置します。

スペシャルティコーヒーの流通量はわずか5%といわれています。希少性が高く、通常のコーヒーの比べて値段が高価です。

スペシャルティコーヒーの定義

スペシャルティコーヒーとは、「特別なコーヒー」という意味ですが、その「特別さ」にはどんな要素があるのでしょうか。

一般的に、「スペシャルティコーヒー」は、「品質が80点以上(100点満点)であるコーヒー」と定義されます。この評価は、スペシャルティコーヒー協会(Specialty Coffee Association: SCA)という国際的な組織によって管理されています。

ただし、これは明確な基準ではありません。正確には、各国のスペシャルティコーヒー協会に判断が委ねられています。

スペシャルティコーヒーの評価基準

では、「品質」はどのように決まるのでしょうか。その答えは「専門家」にあります。専門家、つまりQグレーダー(Q Grader)と呼ばれる人々が、コーヒーの品質を客観的に評価します。

彼らは、独特な訓練を受けた上で、コーヒーの風味、香り、酸味、甘み、苦味、口当たりなど、一杯のコーヒーが持つさまざまな要素を評価します。

生産の工程から評価される

この品質評価は、コーヒー豆が生産される段階から始まります。コーヒー豆の種類、育てられた場所、栽培方法、収穫の仕方、加工方法といった全ての工程が評価の対象となります。

そして、そのコーヒー豆が焙煎され、抽出され、最終的に私たちの口元に運ばれるまで、全ての段階で「特別な」品質が保たれていることが、「スペシャルティコーヒー」の定義です。

スペシャルティコーヒーを楽しむために

スペシャルティコーヒーを楽しむためには、その背景や特性を知ることが大切です。

その産地や生産者の情報、そしてそのコーヒー豆がどのように評価されてきたかを知ることで、一杯のコーヒーがより深い意味を持ち、豊かな体験へと広がるでしょう。

ワインのテロワールのように、コーヒーが育った大地やそこに住まう人々、動物などを想像しながら飲むとより一層楽しむことが出来ますね。

スペシャルティコーヒーの特別な魅力

圧倒的な風味の豊かさと多様性

まず最初に挙げられる魅力は、なんといってもその「風味の豊かさ」です。スペシャルティコーヒーは、一般的なコーヒーと比べて非常に多様で豊かな風味を楽しむことができます。

例えば、あるコーヒー豆はダークチョコレートのようなビターな甘さを、またあるコーヒー豆はレッドアップルのような酸味と甘さを、また別のコーヒー豆はラズベリーのようなフルーティーな風味を持つ、といった具体的な風味の違いが感じられます。

これは、スペシャルティコーヒーがその産地や栽培方法、加工方法など、一杯のコーヒーが持つさまざまな要素によって形成される独特の「テロワール」を表現しているからです。

情報の透明性

次に、スペシャルティコーヒーの大きな魅力は「情報の透明性」です。

スペシャルティコーヒーを購入するとき、包装にはそのコーヒー豆の産地、生産者の名前、栽培方法、豆の種類、焙煎度合いなど、詳細な情報が記されています。これにより、コーヒーの風味や品質を左右するさまざまな要素について学ぶことができ、それがコーヒーをより深く理解し、より楽しむための鍵となります。

生産者への敬意と公正性:フェアトレード

また、スペシャルティコーヒーは「フェアトレード」、つまり公正な取引が重視されています。これは、コーヒーの生産者が適正な対価を得ることで、持続可能な生産活動を続けることができ、より良い品質のコーヒーを生産することを可能にします。

コーヒーの長い歴史の中には、生産者の賃料が下がり低品質のコーヒー豆が流通する時代がありました。フェアトレードは、生産者への敬意とともに、私たち消費者が良質なコーヒーを楽しみつづけるための重要な要素です。

一杯のコーヒーから広がる世界

スペシャルティコーヒーの魅力は、一杯のコーヒーから広がる深い物語とつながりです。その豊かな風味、詳細な情報、公正な取引。これらは、スペシャルティコーヒーがただの飲み物ではなく、文化、地理、人々とのつながりを体験する手段であることを示しています。

スペシャルティコーヒーを飲むことは、それ自体が一つの旅。一杯のコーヒーから世界が広がる、それがスペシャルティコーヒーの真骨頂です。

スペシャルティコーヒーの歴史

アフリカンベッド

プレミアムコーヒーの台頭:初期のスペシャルティコーヒー

スペシャルティコーヒーの歴史は、1970年代後半のアメリカ、特に西海岸に位置するシアトルとサンフランシスコから始まります。

この時代は、一部のコーヒーショップが通常のコーヒーよりも高品質な豆を使った「プレミアムコーヒー」を提供し始め、それが消費者の間で大きな注目を集めた時期です。この時期に名を馳せたコーヒーチェーンがスターバックスで、その成功はスペシャルティコーヒーの歴史において重要な役割を果たしました。

スペシャルティコーヒーの定義と普及

しかし、本当の意味で「スペシャルティコーヒー」が定義され、広まったのは、1980年代になってからです。この時期に、アメリカのエルナー・クヌートセン(Erna Knutsen)が「スペシャルティコーヒー」の概念を提唱し、その品質を評価するための基準となる「カッピング」(コーヒーの評価方法)が確立されました。

また、彼女の提唱により、スペシャルティコーヒー協会が設立され、その後、スペシャルティコーヒーの普及に大きく寄与しました。

世界への広がり:スペシャルティコーヒーの現在

その後、スペシャルティコーヒーはアメリカだけでなく、世界中に広がりました。現在では、ヨーロッパやアジア、オセアニアなど、世界各地の都市でスペシャルティコーヒーを楽しむことができます。

また、コーヒーの産地である南アメリカやアフリカなどでも、スペシャルティコーヒーの生産が盛んに行われており、消費地だけでなく、生産地でもスペシャルティコーヒーの価値が認識されています。

コーヒー農園が大ピンチ「コーヒー危機」

1989年以降、ブラジルの豊作やベトナム産のコーヒーが市場に参入などによって、コーヒーの供給過剰が続きコーヒーの相場は低迷しました。コーヒー生産者は、生計が立たず農園を放棄したり、ゴム畑やコカ栽培に走り出します。

農地は荒廃し、子どもは学校に行けず、飢饉が日常的に起こるようになりました。これが、「コーヒー危機」です。

このような状況から、「相場に影響されないコーヒー」が強く求められるようになりました。

COEの誕生

コーヒー危機により、コーヒーの国際相場が低迷する中、国連により経済自立を促すプロジェクトが始まりました。これが、国連グルメコーヒープロジェクトです。高品質で美味しいコーヒーを作り、それに見合った対価を得ることを目的にしていました。

このプロジェクトの対象は、以下の5か国。

  • ブラジル
  • パプアニューギニア
  • エチオピア
  • ウガンダ

 

この中で、グルメコーヒープロジェクトに最も苦しんだのが、なんとブラジルでした。ブラジルでは、コーヒーの品質を評価するために欠点方式を採用しています。つまり、欠点豆の数や欠点味などの「悪い要素」を評価します。

ブラジルの評価方法は、グルメコーヒープロジェクトの目標の「高品質で美味しいコーヒー」作りには適さなかったのです。

困ったブラジルのスペシャリティコーヒー協会(BSCA)は、米国スペシャリティコーヒー協会(SCAA)の評価基準を導入。

そして、1999年、ついにブラジルスペシャリティコーヒー協会主催のコンペティションが開催され上位ロットには、「ベスト・オブ・ブラジル」の称号があたえられました。また、上位ロットはインターネットオークションにかけられました。翌年の2000年には、さらに規模が拡大し、上位ロットには「COE(カップ・オブ・エクセレンス)」の称号があたえられました。

インターネットを使ったコーヒーの国際オークションというシステムが確立し、「相場に影響されないコーヒー」の可能性が証明されたのです。

スペシャルティコーヒーの未来:持続可能なコーヒー

現在、スペシャルティコーヒーは、品質だけでなく、生産者の生活改善や環境保全といった「持続可能性」にも焦点を当てています。これは、コーヒー産業が持続的に発展するためには、高品質なコーヒーを生産し続けるための適切な報酬と、環境への配慮が欠かせないという認識からです。

フェアトレードの推進、有機栽培の導入、農業コミュニティの強化など、スペシャルティコーヒーはこれからもコーヒーの持続可能な未来を作るためのリーダー役を担っていくでしょう。

スペシャルティコーヒーが変えたコーヒーの世界

コーヒーノキ

コーヒーの品質向上:スペシャルティコーヒーが引き上げたハードル

スペシャルティコーヒーの登場により、コーヒーの品質に対する基準が大きく引き上げられました。スペシャルティコーヒーが求める豊かな風味、バランスの良い酸味と苦味、香りの良さなどの要素は、コーヒー業界全体の品質向上を促しました。

これにより、一般的なコーヒーショップでも、より良いコーヒーを提供することが求められるようになりました。

「量重視」から「質重視」へ​

スペシャルティコーヒー以前は、いかに多くの量を収穫できるかが重要でした。その為、たくさん実のなる品種を作れるかを競っていました。

しかし、今ではどの品種の組み合わせをしたら美味しくなるのか、という切り口で競っています。多くの農園では、「少品種をたくさん作る」から農園を区分けして「多品種を少量作る」へ移り変わっています。

トレーサビリティが重視されるようになった

また、スペシャルティコーヒーはその豆の起源(トレーサビリティ)を重視します。その豆がどの農園でどのように育てられ、どのような方法で収穫・加工されたかという情報は、コーヒーの味わいに大きな影響を与えます。

これにより、消費者は自分が飲むコーヒーの背景を知ることができ、それがコーヒー体験の一部となりました。

ハワイコナ・スキャンダル

1996年、有名なハワイの生産者たちが、中米の安いコーヒーを混ぜてハワイ・コナだと偽って販売しました。調査したところ、ハワイ・コナの偽物が10倍近く販売されていることが判明しました。

この事件から、トレーサビリティがより重要視されるようになりました。

小さい農場を精製工場を持つようになった​

以前は、大きな精製工場をもつ輸出業者が一括で精製し、一つのブランドとして販売していました。

しかし、スペシャルティコーヒーの出現後、小規模な農場もマイクロミル(小さな精製工場)を持つようになりました。クライアントの細かな注文に応えたり、独自の味づくりに注力するためです。

農園がエコ志向に​

ナチュラルの地位が下がった

ナチュラル精製では、比較的、欠点豆が混入しやすいです。その為、スペシャルティコーヒーの審査の一環であるグリーングレーディング(欠点混入率を測ること)の段階でふるい落とされてしまうことが多いのです。

また、ナチュラル精製の豆は比較的柔らかく、スペシャルティコーヒーの条件である「豊かな酸味」にはやや欠けてしまいます。「豊かな酸味」という観点では、高地産の硬い豆の方が受けがいいです。

また、ナチュラル特有の独自の香味があります。これをプラスととるかマイナスととるか意見が分かれる事もナチュラルの評価を不安定にしています。

ナチュラル精製って何?|伝統的な天日干しコーヒー
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パルプドナチュラルが注目を浴びる

パルプドナチュラルは半水洗式の精製方法です。分かりやすく説明すると、ナチュラルとウォッシュドの中間に位置します。

この精製方法はかなりエコになっています。

まず、果肉除去機によって果肉を取り除きます。その後、ミューシレージが付いたまま乾燥させます。大量の水を使わず、水質汚染の問題も解決していて、ウォッシュドの環境汚染の問題を解決しているのです。

ウォッシュドは水源が豊かな場所でしかできません。また、降雨量が多いところではナチュラルが行えません。

しかし、パルプドナチュラルは、水源が乏しくてもできます。降雨量が多い地区でも可能です。大規模な施設も不要なので、小規模農園でもできます。

また、乾燥する時間も3~5日ほどででき、ナチュラルと比べ果肉がついていない分、早く乾燥させることができます。

つまり、コストも時間も大幅に削減できる革新的な精製方法なのです。

また、味わいもとても良く、ナチュラルとウォッシュドのいいとこどりです!カッピングテストで高得点を得やすくなっています。

パルプドナチュラルって何?|フルーティでクリアなコーヒー
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アフリカンベッドの流行

アフリカンベッドとは、棚の上にネットを広げた通気性のいいコーヒー豆のベッドです。精製工程の「乾燥」の段階で用いるスペシャルティコーヒ時代の申し子です。

乾燥方法について少し振り返りましょう。機械乾燥だと、燃料がかかるだけでなく炭酸ガスが発生してしまいます。これでは、エコではないですね。

従来の自然乾燥のように、レンガやコンクリートの上に広げてしまうと、土壌の細菌に汚染されてしまったり、異物が混入するリスクがあります。

アフリカンベッドでは、これらの問題を解決しています。通気性が良いので、発酵の可能性も少なくなります。

手間がかかるので、「スペシャルティコーヒーはアフリカンベッド」・「安価なコーヒーはレンガの上で乾燥」というのが現状です。

精製方法が大きく変わった

通常、ミューシレージ(コーヒー豆の内皮)を取り除くためには、水槽の中で発酵を行います。しかし、この方法では、大量の水を使うことだけでなく、廃液による水質汚染や炭酸ガスの発生等、環境の観点で問題を抱えています。

そこで登場したのがミューシレージ・リムーバー(またはアクアパルパー)です。この機械は、少量の水でミューシレージを取り除くことができます。

生産者への配慮の改善

さらに、スペシャルティコーヒーは、生産者への公正な取引を重視します。コーヒーの価格は世界市場の需給バランスに大きく影響され、従来は農園主の利益が著しく低下することもありました。

しかし、スペシャルティコーヒーの流通では、良質なコーヒー豆を生産する農園主に適正な価格が支払われ、生産者の生活向上や持続的な生産活動が支えられています。

スペシャルティコーヒーの持続可能性への取り組み

スペシャルティコーヒーはまた、環境への配慮や社会的な公正さを重視し、これらを品質の一部と位置づけています。有機栽培やフェアトレード認証、レインフォレスト認証など、持続可能性を確保するためのさまざまな試みが進められています。

これにより、美味しいコーヒーを楽しみながらも、地球や生産者への配慮が可能となり、より良いコーヒー文化が実現しています。

麻袋の廃止!?

コーヒーの流通に用いる袋といえば麻袋のイメージが根強いですね。

実はスペシャルティコーヒーの登場以来、袋事情もガラリと変わりました。真空パックやビニール製の袋が主流になっています。

これらの袋は、酸素や水分を遮断できるのでフレッシュな状態で運ぶことができます。袋を開けると生豆のフレッシュな香りを感じることができるほどです。

おすすめのスペシャルティコーヒー3選

コーヒー カフェ

エチオピア・イルガチェフェ:コーヒーの故郷からの贈り物

コーヒーの原産地とされるエチオピアからは、スペシャルティコーヒーの中でも特に評価が高い「イルガチェフェ」が出ています。(Ethiopia Yirgacheffe)

イルガチェフェのコーヒーは、フローラルな香りと明るい酸味、そして滑らかなボディが特徴です。このエチオピアの贈り物は、まさにコーヒーの神髄を感じさせてくれます。

グアテマラ・ウエウエテナンゴ:爆発的な香り

グアテマラ・ウエウエテナンゴはスペシャルティコーヒーの生産で人気になった生産地です。(Guatemala Huetenango)

花のような香りと甘さ、バランスのいい苦みと酸味は最高の一杯です。その圧倒的な香りの絶対量を是非お試しください。

パナマ・ゲイシャ:スペシャルティコーヒーの王者

パナマ産の「ゲイシャ」は、その希少性と繊細な風味からスペシャルティコーヒーの中でも特別な存在です。(Panama Geisha)

華やかなアロマ、洗練された酸味と甘さ、そして圧倒的なエレガンスが魅力のゲイシャは、まさに贅沢なコーヒー体験を求める人におすすめの一杯です。

ゲイシャコーヒーの特徴|花のような香りと繊細な味わいを楽しむ
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スペシャルティコーヒーの
よくある質問

Q スペシャルティコーヒーとは何が違うのですか?

A

スペシャルティコーヒーは、コーヒー産業全体のなかでも最高品質のコーヒーを指します。

農園の選定から収穫、精製、焙煎、そして抽出まで、一貫した高品質なプロセスが求められます。これらのプロセスはすべて、コーヒーの個々の風味を最大限に引き出すことを目指しています。また、スペシャルティコーヒーは独立した団体によって評価され、80点以上のスコアを獲得したコーヒーのみがスペシャルティと称されます。

Q スペシャルティコーヒーはどこで買えますか?

A

スペシャルティコーヒーは、一般的なスーパーマーケットやコンビニエンスストアではなく、スペシャルティコーヒーを取り扱っているカフェや専門店で購入できます。

また、インターネットのオンラインショップでも、多くのスペシャルティコーヒー豆が取り扱われています。

Q スペシャルティコーヒーは高価ですか?

A

スペシャルティコーヒーは一般的なコーヒーと比べて価格が高い傾向にあります。

これは、その品質を保証するためのコスト(選択的な栽培、手作業による収穫、徹底した品質管理等)が反映されているからです。しかし、その品質と独特の風味から得られる満足感を考えれば、その価格は決して高くはないと言えます。

Q スペシャルティコーヒーを淹れるのは難しいですか?

A

スペシャルティコーヒーを淹れる技術は、一般的なコーヒーと比べて少し難しいです。しかし、適切な器具と少しの練習があれば、誰でも美味しいスペシャルティコーヒーを淹れることができます。

また、多くのカフェやオンラインでは、コーヒーを淹れるためのワークショップやチュートリアルが提供されています。

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