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エチオピアのコーヒーの特徴は?|特徴・味・歴史・グレードなど

エチオピアといえば、世界的にもその品質が評価されているコーヒーの生産地です。あなたはそのエチオピアコーヒーの本当の魅力を知っていますか?

この記事では、エチオピアコーヒーの特徴から味、栽培環境、歴史、グレードに至るまで詳しく解説します。さらに、現在注目のエチオピアコーヒーもご紹介します。

一緒に、その深い魅力に迫りましょう。

エチオピアのコーヒーの特徴

コーヒーを飲む

コーヒーの起源の地

コーヒーというと、思い浮かべるのは温かい一杯のドリンクかもしれませんが、その起源は遥か昔のエチオピアに遡ります。

実は、エチオピアはコーヒー豆、正確にはコーヒーチェリー(コーヒーの果実)の原産地と言われています。農園だけでなく家庭の庭にコーヒーの木が自生している姿も確認できるようです。

多様な品種

エチオピアの土地には、他のどの国にもない多様なコーヒーの品種が存在しています。その数なんと6000以上。

エチオピアコーヒーの魅力は、これら多様な品種に由来する幅広いフレーバープロファイル(味や香りの特徴)にあります。

エチオピアのコーヒーの味

コーヒー

フレーバープロファイル

フレーバープロファイルとは?

コーヒーの風味や味わいの特徴を表すための記述方法です。

エチオピアコーヒーのフレーバープロファイルは、一般的に複雑なフルーツの風味や、華やかな花の香り、そして優れた酸味が特徴とされています。

中でも、エチオピアの一部地域で生産されるコーヒーは、その豊かなベリー(小さな果実)の風味で知られています。

主な産地とその特徴

エチオピアには多くのコーヒー産地があり、その中でも特に有名なのは、”Sidamo”、”Yirgacheffe”、”Harrar”です。

それぞれの地域で栽培されるコーヒーは独特の風味を持っており、例えばYirgacheffeでは、柑橘系の風味と華やかな花の香りを楽しむことができます。

エチオピアのコーヒーの栽培環境

コーヒーノキ

高地での栽培

エチオピアは高地が多く、多くのコーヒーが1000メートル以上、一部では2000メートル以上の高地で育てられています。

これらの高地での栽培は、コーヒーチェリーの中の糖分が豊富になり、風味がより複雑で深みのあるものとなるため、品質向上に寄与します。

豊かな土壌と気候

エチオピアの土壌は、火山灰を含む酸性の土壌が多く、これがコーヒーに酸味とフルーツのような風味を与えています。

さらに、豊かな自然と亜熱帯気候が、豊かな生態系を形成し、その中で育ったコーヒーはその環境の風味を吸収しています。

日陰栽培:自然と調和した育て方

エチオピアのコーヒーは、大部分がシェードグロウン(日陰栽培)という方法で栽培されています。

シェードグロウンとは、コーヒーの木が日差しを直接受けず、周りの大きな木々の陰で育てられる方法です。直射日光を避けることで、コーヒーの木は乾燥から守られ、土壌の保水性も保たれます。

さらに、豊かな生物多様性が保たれるという利点もあります。このような方法で育てられたコーヒーは、その地域の豊かな自然環境を反映した風味を持つのです。

シェードツリーについては以前紹介しているので詳しくはそちらを確認してください。

伝統的な栽培方法:自然へのリスペクト

さらに、エチオピアでは伝統的な栽培方法が守られています。その中には、農薬や化学肥料を使わず、自然と調和した方法でコーヒーを栽培するというものがあります。

この自然との調和を重んじる姿勢は、エチオピアコーヒーが持つ独特の風味や品質に寄与しています。このエチオピアのコーヒー農家の姿勢からは、自然を大切にするというメッセージが伝わってきます。

アフリカンベッド:自然との共生

アフリカンベッド

エチオピアでは、「アフリカンベッド」という特殊な乾燥方法が用いられます。これは、収穫したコーヒーチェリーをベッドの上に広げ、太陽の力で自然乾燥させる方法です。

エチオピアの豊かな日差しと乾燥した気候が、この方法を可能にしています。アフリカンベッドによってコーヒーチェリーは均一に乾燥し、その結果、豆の中の糖分がより豊かな風味を生み出すのです。

ナチュラル精製:風味の極致

また、エチオピアのコーヒーの多くは「ナチュラル精製」または「ドライ精製」と呼ばれる方法で処理されます。これは、コーヒーチェリーをそのまま乾燥させてから果肉を取り除く方法で、水をほとんど使わないエコロジー的な精製方法です。

ナチュラル精製によるコーヒーは、フルーツのような甘みや、独特な酸味、フルボディの風味が特徴です。これらの風味はエチオピアコーヒーの魅力を最大限に引き立てるのです。

エチオピアは、水資源に乏しいため、水をあまり使わないナチュラル精製が主流です。

しかし、近年ではスペシャリティコーヒー需要の増加によって、より味わいが安定するウォッシュド精製も増えているようです。特にイルガチェフェ地方では、比較的水資源が豊富なため、ウォッシュドが盛んなようです。

エチオピアのコーヒーのグレード

エチオピアのグレードとは?

エチオピアのコーヒーは、品質によってグレード(等級)がつけられます。グレードとは、豆の大きさや形状、欠点の有無などによって決定され、1(最高)から9までの等級があります。

欠点豆の数で格付け

エチオピアでは、生豆300gの中の欠点豆の数で格付けを行います。

グレードは、G1~G9まで存在しています。

グレード 欠点豆の数
G1
0~3
G2
4~12
G3
13~25
G4
26~46
G5
47~75

エチオピアの最上級グレードは「G1」

最上級グレードのG1は、300g中の欠点豆が3個以下と、驚異の少なさを誇ります。

エチオピアの輸出制限

輸出されるコーヒーは制限されています。

  • ウォッシュドは、G2以上
  • ナチュラルは、G4以上

それ以下のグレードは、国内で消費されています。

エチオピアのコーヒーの歴史

コーヒーに関する伝説:羊飼いカルディの発見

エチオピアのコーヒーの歴史は、羊飼いの少年、カルディにまつわる伝説から始まります。

ある日、羊たちが普段の眠り時間にもかかわらず、活発に飛び跳ねる様子に気づいたカルディ。その羊たちが食べていた赤い木の実が、実は私たちが現在コーヒーと呼ぶ豆だったのです。この木の実を自身でも食べてみたカルディは、その元気が湧いてくる効果に驚きました。

偶然、そこを通りかかった僧侶にその効果を伝え、眠気覚ましとして寺院で利用されるようになったというのが、コーヒーの起源について語られるエピソードです。そうしてコーヒーは、修行の支えとして多くの寺院で利用されるようになり、さらには一般の人々の間にも広がっていったのです。

世界への広がり

エチオピアからアラビア半島へ、そしてヨーロッパ、アメリカへと、コーヒーは世界中に広がりました。

現在でも、エチオピアのコーヒーはその風味と品質の高さから、世界中のコーヒーラバーから愛されています。

輸入制限の過去:品質向上への道のり

しかし、その歴史の途中で、日本ではエチオピア産のコーヒー豆から基準値以上の薬剤が検出され、輸入制限が発生したこともありました。

この問題の原因は、麻袋の使いまわしから来ていたとされ、解決のために真空パックやビニール袋によるパッケージングが始まりました。その一環として、グレインプロというビニール製の袋にコーヒー豆を入れ、それをさらに麻袋で包む方法が主流となりました。

モカの名前の由来:モカ港からの輸出

さて、エチオピアのコーヒーと言えば、「モカ」が有名ですが、これは昔、イエメンのモカ港からエチオピア産のコーヒー豆が世界に向けて輸出されていたことに由来します。

モカコーヒーは爽やかな酸味と甘み、そしてコクを併せ持つ味わい深いコーヒーとして知られています。その名前の由来はこのモカ港から来ており、イエメン産のコーヒーも同じくモカと呼ばれることがあります。

このように、エチオピアのコーヒーはその深い歴史とともに、私たちのコーヒータイムを彩ってきました。

注目のエチオピアコーヒー

計量スプーン

エチオピアのコーヒーは数多く存在しますが、その中でもとくに評価が高い、あるいは特色があるコーヒーをいくつかご紹介しましょう。

イルガチェフェ G1

イルガチェフェとはエチオピア南部に位置する地域の名前で、ここで生産されるコーヒー豆は特別な評価を受けています。G1とは、エチオピアのコーヒーの等級を表すグレードの一つで、最も品質が高いとされるものです。

イルガチェフェのコーヒーはその繊細さと強いフレーバーからスペシャリティコーヒーの代表格とも言える存在です。

イルガチェフェのウォッシュド

ウォッシュドとは、コーヒー豆の精製方法の一つで、果肉を完全に取り除いてから乾燥させる方法を指します。

これによりコーヒー豆の純粋な味わいが引き立ち、コーヒーの風味をダイレクトに感じることができます。イルガチェフェのウォッシュドは、その繊細さとスマートな味わいが特徴で、浅煎りが特に人気です。

イルガチェフェのナチュラル

対照的に、ナチュラルとはコーヒー豆の精製方法の一つで、果肉をつけたまま天日で乾燥させる方法を指します。

これにより果肉の甘みや風味がコーヒー豆に吸収され、独特の甘味やボディ感を生み出します。イルガチェフェのナチュラルはウォッシュドと比べて、その甘味とボディ感が力強いのが特徴で、完熟りんごのような甘酸っぱさも感じられます。