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ジャマイカコーヒーの特徴!その魅力を一杯で感じる旅

あなたが手にしたその一杯のコーヒーには、どんな物語が込められているでしょうか? 高い山の中でゆっくりと育てられた豆から抽出される、コーヒーの香りと味は、地球の反対側にある小さな島国、ジャマイカからの贈り物です。独特な風味と深いコクが人々を魅了し、その名を世界に広めたジャマイカコーヒー。しかし、その一杯に至るまでのストーリーをご存知ですか?

この記事では、ジャマイカコーヒーの魅力を探る旅に出かけます。甘く香ばしいその味の源、ブルーマウンテン山脈の肥沃な土壌と、雨季と乾季が豆に深い味わいを与える理由。そして、その味を最大限に引き立てるために行われている、選ばれた豆だけが「ジャマイカブルーマウンテン」と名乗れる厳格なグレード分け。そんなジャマイカコーヒーの奥深さを、一緒に探りませんか?

味わい深いジャマイカコーヒーの世界に一緒に足を踏み入れてみましょう。そこには、あなたがこれまで知らなかったコーヒーの新たな魅力が待っていますよ。

ジャマイカのコーヒーとは?

コーヒー

ジャマイカのコーヒーは、ただのコーヒーとは一味も二味も違います。その独特な風味と高い品質から世界中のコーヒー愛好家に愛されています。

まるで甘い果実のような香りと、心地よい酸味、そしてほんのりとした甘みが特徴的です。この味わいは、ジャマイカの肥沃な土壌と、厳しい品質管理によって実現されています。

ジャマイカってどんな国?

ジャマイカは、カリブ海の美しい島国です。1949年にコロンブスが見つけました。

広さは兵庫県より少し大きいくらいのサイズ。国土の80%は山地です。国名ジャマイカは、先住民のアラワク族の言葉「ザイマカ」が由来で「森と水の国」を意味しています。

コーヒーの宝石とも称されるブルーマウンテン

マキネッタ

ジャマイカコーヒーと言えば、”ブルーマウンテン”という名前を聞いたことがある人も多いでしょう。ブルーマウンテンとは、ジャマイカの最高峰であるブルーマウンテン山脈で育てられるコーヒー豆のことを指します。

このブルーマウンテンは、その豊かな風味と香りから「コーヒーの宝石」とも称されるほど。この名声は偶然や運だけでは得られません。ブルーマウンテンの地域では一年を通じて涼しく湿度も高い気候が続き、コーヒー豆はじっくりと成長します。また、石灰質の土壌はコーヒー豆に特別な風味を与え、結果として独特の味わいが生まれるのです。

ジャマイカのコーヒーの栽培環境

コーヒーノキ

恵まれた気候と地形

ジャマイカは、カリブ海に浮かぶ美しい島国です。そこでは一年を通じて温暖な気候が続き、コーヒー豆を育てるのに最適な環境が整っています。特に高い山の斜面では、温度が低く湿度が高いため、コーヒー豆はゆっくりと成熟します。このようにゆっくり成熟することで、コーヒー豆は豊かな風味と香りを引き出すことができます。

肥沃な土壌と手間暇かけた栽培

また、ジャマイカの土壌はとても肥沃で、コーヒー豆の育成に適しています。コーヒーの木は、ブルーマウンテン山脈の肥沃な火山土壌で育つため、その豆にはミネラル豊富な特性が加わるのです。これがジャマイカコーヒーの独特な風味と香りを作り出しています。

さらに、ジャマイカのコーヒー農家たちは一つ一つのコーヒー豆に手間暇をかけています。収穫は全て手作業で行われ、豆は丁寧に選別されます。これにより、一杯のジャマイカコーヒーにはその愛情と情熱が詰まっています。

収穫の季節と生産量

ジャマイカのコーヒー豆は、年間を通じてじっくりと成熟させ、そのピークは10月から4月にかけてとなります。この時期には、丁寧に手作業で収穫が行われます。農家たちは一つ一つの豆を選び、最高の品質を確保するための時間と労力を惜しみません。

ジャマイカのコーヒー生産量は、2021年のデータによると約7,990トンで、世界のコーヒー生産国の中でも41位となっています。その生産量は限られていますが、それが逆にジャマイカコーヒーの特別さと希少価値を高めています。

ジャマイカコーヒーの美味しさは、自然の恵みと農家の手間ひまが作り出すもの。それを思いながら一杯のコーヒーを味わうと、さらにその味が深まるかもしれませんね。

コーヒー豆の処理方法

ジャマイカで収穫されたコーヒー豆は、「ウォッシュド(水洗式)」という方法で処理されることが多いです。ウォッシュドとは、コーヒー豆を収穫後すぐに果肉を取り除き、豆を洗浄する方法です。この処理法により、豆から果肉の甘みや酸味が完全に取り除かれ、コーヒー豆本来の風味が際立つのです。

ジャマイカコーヒーの洗練された風味とクリア感は、このウォッシュド(水洗式)処理法によるもの。それぞれの豆が丁寧に洗浄され、その品質が一層引き立てられるのです。この工程を経たコーヒー豆から淹れられるジャマイカコーヒーは、豆本来の素晴らしい風味を最大限に楽しむことができます。

ジャマイカのコーヒーの現状

アラビカ生豆

高品質な産品 - ブルーマウンテンが世界へ

ジャマイカのコーヒー産業は、特にブルーマウンテンという品種で世界的に知られています。ブルーマウンテンはその独特の風味とバランスの良さから、世界のコーヒー愛好家から高く評価されています。特に日本では、その上質な風味が愛され、大量に輸入されています。

直面する課題 - さまざまな困難

しかし、ジャマイカのコーヒー産業はいくつかの問題に直面しています。気候変動の影響で、雨量の変化や異常気象が増え、コーヒー豆の品質や生産量に影響を与えています。

また、農地の縮小や労働力の不足も大きな課題となっています。

未来への挑戦 - 持続可能な産業を目指して

これらの問題に対し、ジャマイカのコーヒー産業は持続可能な産業を目指す動きを見せています。環境に配慮した栽培法の導入や、若者を農業に引きつける取り組みなどが行われています。また、品質保持のための研究も活発に行われています。

ジャマイカのコーヒーのグレード

ブルーマウンテンNo.1 - 最高級の風味を楽しむ

「ブルーマウンテンNo.1」は、その名の通りブルーマウンテン地区で育てられ、スクリーンサイズ(豆の大きさ)が17~18の豆が最低96%含まれ、欠点(例えば、虫食いやカビ、割れなどの豆の不完全)が最大2%のものがこのグレードに分類されます。

No.1を名乗ることが出来るのは、ブルーマウンテンの中でも30%程度しかない希少なコーヒーです。ぎっしりと香りが凝縮されています。

その他のブルーマウンテンのグレード - 品質と風味のバラエティ

「ブルーマウンテンNo.2」、「ブルーマウンテンNo.3」、「ブルーマウンテンPeaberry」、「ブルーマウンテンSelect」もまた、豆のサイズと欠点の数で分類されるブルーマウンテン地区のコーヒー豆のグレードです。それぞれが独自の風味と品質を持ち、それぞれのグレードが個性的なコーヒー体験を提供します。

ブルーマウンテン以外の地域のグレード

ブルーマウンテン地区以外でも、特有のグレードが存在します。「ハイマウンテン」は標高1000~1200mで栽培され、「プライム・ウォッシュド」は標高300~1000mで育てられるコーヒー豆のグレードです。地域や標高により異なる気候条件は、それぞれ異なる風味を生み出します。

グレードのまとめ

ジャマイカでは、ブルーマウンテン山域とそれ以外地域でグレードの付け方が違います。

一般的には、ブルーマウンテン山域で収穫されるコーヒーの方が高い評価を受けています。

ブルーマウンテン山域の場合

グレード スクリーンサイズ 欠点数
No.1
17~18が最低96%
最大2%
No.2
16~17が最低96%
最大2%
No.3
15~16が最低96%
最大2%
ピーベリー(丸豆)
10以上が最低96%
最大2%
セレクト
No.1~No.3のサイズ
最大4%

ブルーマウンテン山域以外の場合

グレード 標高
ハイマウンテン(HIGH MOUNTAIN)
1000~1200m
プライム・ウォッシュド(PRIME WASHED)
300~1000m

ジャマイカのコーヒーの歴史

コーヒー

コーヒーのルーツ - 丘陵地に根を下ろす

1728年、ジャマイカ総督ニコラス卿がフランス領のマルティニーク島から持ち帰ったコーヒーの苗が、ジャマイカコーヒーの始まりでした。苗はキングストンの丘陵地に植えられ、ジャマイカの特異な自然環境の中で成長していきました。

その後、ジャマイカを植民地として支配していたイギリスによるプランテーション(大農園)の設立により、コーヒーの栽培は急速に拡大しました。

壁にぶつかるコーヒー産業 - 試練の時代へ

しかし、その後のジャマイカコーヒー産業は困難な時期を迎えました。傾斜地が多く、また多雨であることから土壌の流出が多く、コーヒー豆の品質が低下。

また、奴隷制度の撤廃により労働力が不足し、生産者の意欲が低下。多くの農園が放棄され、バナナなど他の作物への転換が行われました。

コーヒー産業の復興 - ブルーマウンテンの登場

1930年代までに、ジャマイカのコーヒー生産量と品質は著しく低下。しかし、1948年に設立されたコーヒー産業公社(CIB)の力を借りて、コーヒー産業は復興の道を歩み始めます。その結果、コーヒーの生産量と品質が安定し、高級銘柄「ブルーマウンテン」の供給も安定しました。

そして、ブルーマウンテンが日本に初めて輸入されたとき、その特別な風味と高級なイメージを伴って大ヒット。特にキャッチフレーズ「英国王室御用達」は、消費者の心を捉え、ブルーマウンテンの人気を加速させました。